たもさんのアニメソムリエ

アニメ私的総評と感想。Twitter https://mobile.twitter.com/tnijkoh

『東のエデン』3倍楽しく観れる考え方と解説

記念すべき第1回目の記事です。


このブログを書くまでにあたる経緯は、タイトルに記載した「東のエデン」の面白さに胸を鷲掴みにされてしまったので、どうしても文字に起こしたかった。というのが本音です。

鑑賞済みの方はもう一度観てもっと楽しめるように、まだ鑑賞していないという方には是非とも観てみたくなる、そんな紹介をさせて頂きたい所存であります。


前書きはこのくらいとして

いきなり結論から言うと、私にとってこの作品は『とびっきり面白かった』

あくまで1話〜11話まで観ての感想だが、他の作品と並べても甲乙つけがたい。今までアニメは多かれ少なかれ鑑賞してきたが、ベスト5には入る面白さだった。


この記事で話したい要点は2つだけ


まず1つ目に楽曲OP/EDがどちらも素晴らしい点。

オープニングテーマの「Falling Down/oasis最高にカッコイイ。

作品と楽曲とが見事にマッチングしている。あまり内容に関係のない事柄を語るのは心苦しいが、この有名なoasis(オアシス)というイギリスロックバンド。存在は認知はしていたものの、洋楽自体を好まない私には興味を唆るようなバンドではなかった。

それにも関わらず、この楽曲を聴き、OPを観るたびに「鳥肌」が収まらなかった。

終いには、作品の続きが見たくてOPを早送りしたい衝動に駆られるのだが、OP/EDを聴きたいという感情もあり、複雑な気持ちになるほどだった。中々味わえない体験だと思う。(あの花のsecret baseもよかった)


2つ目にテーマについて。

この作品の概要は「無秩序で不条理な世界を、11人+1人の選ばれた先鋭により、より良い方向に導く」という王道(ヒャッハーな世紀末、殺人ノート等と同じ)の世直しをするというものだ。

更に大事な要素が2つ。

これまた王道な「記憶喪失」の主人公ということ。これによりサスペンス風になり、主人公の気持ちに臨場感が増している。

(1話は裸で始まる。記憶喪失、複数のパスポート、銃火器セレソン

深まる謎にアキラ本人が困惑し、観ているこちらもアキラが成そうとしていた目的に興味が尽きなかった。)

更にもう1つの設定セレソン「11人+1人には特別な力」が備わっているという点。特別な力とだけ聞けば、なんの変わり映えもしない、龍ボールの『気』みたいに感じるが、この作品については『お金と権力』

この上ない現実である。

記憶喪失で増した臨場感に、力の源であるお金と権力。この両刀により作品への、のめり込み度が逸脱している。まるで自分がその世界に身を置いているように。

「殺人ノートや殺人拳法はあったらいいなあ〜」みたいな期待で想像を膨らませるが、この作品においてはセレソンを作ろうと思えばいますぐにでも……。いや、明るみには出てないだけで今現在も、この日本に存在してるかもしれない。

「オレなら〜を〜するな」(車を爆破)などの憶測や期待も込めて話が進められる。ここまでの点をまずは踏まえてほしい。

そしてテーマである。

この作品から受け取ったテーマは3つ。

日本社会への風刺、善悪の基準、信頼。

ここからは完全に感想。


・風刺について

目につくのはニートを取り扱ってる点。(迂闊な〜、ぎゃふん、これも同じく風刺なのだが、正直に話すと社会のお偉いさん方の立ち振る舞いについては知識が乏しい為ノーコメント)

今日までニートをどうするか日本社会での答えは出ていない。だからどうするべきなのか、この作品は伝えようとしてるんじゃないだろうか?と感じた。


・善悪について

これについてはアキラが悪名をかぶったり、No.10のセレソンの動向(極端な正義)だったり。人間の善悪の判断は脆いと思った。

自分たちも気づかないうちに長いものに巻かれ、私利私欲で善悪を判断している。


・信頼について

人間にとって1番の苦痛は信じているものが踏みにじられることだ。


※ネタバレ※


2話での咲の義兄に取り繕ってもらった面接で採用する気がないのに悪質な嫌がらせをする件は心底腹立たしい限りだったが、あれ以上に酷い自体は現実の日本社会には腐るほど蔓延っている。

記憶に新しいのは電通の過労死など。


助けた人々から裏切られた主人公と、社会に踏みにじられたヒロイン。

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気持ちを踏みにじられたという共通点がある。

この2人が親密になるのは、なるべくしてなったと思わざるを得ない。


そしてサキのように「ミサイルが落ちればよかった」と思ってるけど隠蔽して社会に溶け込んでる人がどれほどいるのだろう。

会社なんて台風で吹き飛べとか(笑)

No.10のやった事(迂闊な〜ミサイル攻撃)否定することが出来ないと思いつつ、アキラのミサイル攻撃を止めるという選択肢は明らかに正しい。だが、そこから「どうやってより良い道を作るんだ!」という訴えに近い期待が胸に残っている。


念のため分かりにくかった、記憶喪失するまでの経緯を解説。

1.ミサイル攻撃を察知する

2.ニートを使って(自らも警察の服に変装して)ミサイル攻撃される箇所の住民を避難させる

3.ミサイル攻撃が実際に起こると、なぜこの事実を知っているのか、という疑問を持つニートや避難した住人たちがアキラを疑う。

3.ミサイルの犯人が捕まる訳もなく、手伝ってくれたニート達が、住人や国民から疑われるのを防ぐため、ミサイル攻撃の首謀者はアキラ自身ということにする。(ニート達を守るためにドバイに飛ばす)

4.助けた人達に犯人と罵られ絶望してしまったアキラは記憶を消す。


11話の終わり方は残りの資産を使い「王様にしてくれ」というものだったが、これは次作に向けた伏線だろう。

突拍子もないしどう話に繋がってくるのかは現状まったくわからないが、アキラの言う「損な役回りをする」というのが気になります。


※ここまで※


11話までの感想は以上。

残り2本の映画が楽しみで仕方がない。近いうちに鑑賞して続きを書こうと思います。ご観覧ありがとうございました。