『刀語』奇策士とがめの左目の秘密と12倍楽しく観れる考え方と解説
ようこそ、カタナガタリの世界へ。
わたくしナレーションを務めさせて頂いておりました者にございます(大嘘)
目次
1.はじめに
2.原作者のご紹介
3.※ネタバレ※ (左目の秘密)
4.さいごに
1.はじめに
はじめに弁明させていただきたいのですが、12倍というのは1話ごとに楽しみがあるからというだけですので体感できるという保証は致し兼ねます。(笑)
つまりこのアニメは12話までなのですが、普通の1クールのアニメと違うのが週1回ではなく月1回の放送だったという点。
制作会社はWHITE FOX(ホワイトフォックス)で、主な作品は「ヨルムンガンド」「Re:ゼロから始める異世界生活」等があります。
そしてこの”刀語”は上記の作品の以前に作成されたものです。(制作会社のタイトルを並べると期待感が増し増しですが、私は鑑賞後に気づきました。次に観る作品に困っていたら制作会社に手を伸ばすというのも一考の価値ありかもしれません。)
1話50分前後と見応えは十二分にあるはずです!
是非ともまだ鑑賞してない方、これからもう一度見直そうとしている方、何を見ようか悩んでた方も、より楽しんで刀語を観れるようにこの記事を書くに至りました。
2.原作者のご紹介
まずはこの作品の原作者のご紹介からさせていただきます。
維新さんはライトノベル作家で、西尾維新という名前は本名ではなくペンネームだそうです。
このペンネームをローマ字表記にすると、NISIOISINとなります。
見ての通り逆から読んでも発音が同じになりますね!この遊び心のある名前のとおり作品にも遊び心や美しさがあふれていて、随所に現れるこだわりを垣間見ると観ているこちらも楽しさが増します!
展開もさることながら、ストーリーに関しては「 四季崎 記紀 シキザキ キキ の産み出した千本の名刀のうち、幕府が回収しきれなかった変体刀(妖刀の進化系みたいなもの)十二本を、戦幕府奉るところ奇策士 とがめ、虚刀流七代目頭首 鑢 七花(やすり しちか)の二人で収集の旅をする」という王道かつ少し風変わりな設定になっています。(風変わりという言葉を使ったのは、この刀はどんな容姿をしているのかも、誰が持っているかわからないし、収集するとしても破壊することはできない。
こんな制約はなかなかない為、楽しみが増しますね!)
十二本の変体刀の名前をご紹介〜
1.絶刀・鉋(ゼットウ・カンナ)
2.斬刀・鈍(ザントウ・ナマクラ)
3.千刀・鎩(セントウ・ツルギ)
4.薄刀・針(ハクトウ・ハリ)
5.賊刀・鎧(ゾクトウ・ヨロイ)
6.双刀・鎚(ソウトウ・カナヅチ)
7.悪刀・鐚(アクトウ・ビタ)
8.微刀・釵(ビトウ・カンザシ)
9.王刀・鋸(オウトウ・ノコギリ)
10.誠刀・銓(セイトウ・ハカリ)
11.毒刀・鍍(ドクトウ・メッキ)
12.炎刀・銃(エントウ・ジュウ)
2.斬刀・鈍(ザントウ・ナマクラ)
3.千刀・鎩(セントウ・ツルギ)
4.薄刀・針(ハクトウ・ハリ)
5.賊刀・鎧(ゾクトウ・ヨロイ)
6.双刀・鎚(ソウトウ・カナヅチ)
7.悪刀・鐚(アクトウ・ビタ)
8.微刀・釵(ビトウ・カンザシ)
9.王刀・鋸(オウトウ・ノコギリ)
10.誠刀・銓(セイトウ・ハカリ)
11.毒刀・鍍(ドクトウ・メッキ)
12.炎刀・銃(エントウ・ジュウ)
以上
12本のうちにお気に入りの刀はありましたか? 初めてご覧になる方は気になる刀やカッコ良いと感じたものはありましたか?
全て漢字三文字に収め、金偏で統一するという美しさ。惚れ惚れしますね〜。
言葉遊びといえばヒロインのとがめの名前の由来と思われるもの。とがめ→十が目。
十の字が瞳に現れています。
はい、そのままですね(笑)
もちろん言葉遊びの他にも会話の掛け合いやギャグ、戦闘やアクションも豊富で見所はたくさんあります!中でも個人的に好きなのはセクシー系のギャグに、とがめも七花も可愛いところですかね〜。
「お主、私に惚れても良いぞ」
「オレはあんたに惚れることにした」
こんな会話聞いたこともなくて、維新さんの作品でしか聞くことはなかったのではないでしょうか(笑)
このままではタイトル詐欺だ!!!と罵られそうなのでここからは最終話のネタバレと個人的な感想、とがめの秘密について述べます。
※ネタバレ※
3.※ネタバレ※ (左目の秘密)
上記の言葉遊びの続きですが、作中登場する2本目の変体刀。
斬刀・鈍の必殺技は居合斬りで、その刀身すら見えない早業で主人公の七花を翻弄しました。
日本人なら社会科の授業でも習う戦闘機の名前で、第二次世界大戦当初では性能が良く他国に恐れられた零戦も、終盤では零戦を上回る戦闘機が多々登場し、さらに日本は追い詰められ片道燃料で戦艦にツッコム玉砕の零戦として再び他国に恐怖を与えた。
そんな零戦というネーミングセンスと、自らを斬って得た血による加速があい合わさり、かなりカッコいい魅力的な敵だった。
他にも語りたいことがあったり、この作品には私も気づいていないような、細かなところまで楽しめる要素が多岐に及んでいると思います。
鑑賞する方は是非とも探してみてください!
そしてここからがこの記事の本題です。
『とがめの左目の秘密』
こちらは完全に私個人の憶測、推測が含まれています。
とがめの左目は原作の小説では常に十字の瞳になっていたそうです。アニメでは時たま変化していることに気づいていましたが、それが何故なのかとは考えもしませんでしたし、アニメ中に解説もありませんでした。
ですが、最終話での七花との死別時に確信しました。
『とがめは奇策を思いついた時に目が変化している』
どうしてこう思ったのかというと、このシーンではまず負傷したとがめが七花との過去を振り返ります。自分の感情をすべて伝え、別れに切り替わります。
「(こんな感情のない私が)変われるとさえ思った」と言い、瞼を閉じ、次の瞬間にとがめの目は十の字に変わる。
ここからは七花の身を案じたとがめの奇策の始まりです。
最後には七花を殺すつもりだったと言いました。(そんな終わり方じゃなくて本当に良かった)
「殺すつもりだった」という言葉に衝撃を受けたが、死に際にそんなことを伝えることにどんな意味があったのだろう? それに本当にとがめは七花を殺すことができたのだろうか?
そう考えた時に、今後の七花にとがめがいなくなり、命令がなくなる。愛する人を失っても、感情を持って生きていけるように、という奇策を思いついたのだと思いました。「道半ばで討たれて幸せだ、これで殺さずに済んだのだから」と言ってから「これまでの全てを忘れて好きなように生きろ」と続け、最後には「好きになってもよいか?」と言い残し絶命しますが、この時に本当は死ななかったらもっと幸せだった2人の未来を想像していたり、独りになってしまう七花を思いやっての奇策だったんだと、個人的に思いました。
とがめは死んでしまいましたが、死ななければもっと幸せな未来が見えていたために、七花の悲しさが心苦しかったです。
人を知らぬ男と、心を亡くした女。
このような陰陽のような構図に美しさを感じ素直に感動しました。
「オレにはあんたがいるし、あんたにはオレがいるじゃなかったのかよ」
ちぇりお蕩
※ここまで※
まだ一通りにしか鑑賞できていませんが、西尾維新さんは『言葉遊びの達人』と私は認知しました。
言葉遊びは私の好みとする趣向でもあり、自ら試みても自慰程度のなんとも滑稽なものに終わってしまいがちですが、維新さんの作品は”刀語”も含めエンターテイメントに昇華させた名作だと思います。
また観たいと思える素敵な作品でした!色んな方にこの作品に触れて欲しい!
このような見苦しい記事に長々とお付き合いくださり感謝の至りでございます。
さてこのブログへのアクセスが0に終わるとは……。この時はまだ知る由もなかったのであります。
刀語解説。今月今宵のお楽しみはこのままでにございます。
ありがとうございました。