たもさんのアニメソムリエ

アニメ私的総評と感想。Twitter https://mobile.twitter.com/tnijkoh

『Angel Beats!』そして天国へ…

どうもご無沙汰しております、たもです。


今回はAngel Beats!エンジェルビーツ!)についてご説明、解説させて頂きたい所存でございます。

見たことのない方はこれから是非見て貰えるよう、鑑賞済みの人には共感して、あわよくば為になってもらえるような楽しい記事にしたいと思っています。(タイトルはド〇クエ3から拝借したなんて口が裂けても言えない)


今更ながら2019年3月の今日、2010年の6月まで放送されていた作品、約9年も前の作品に触れる事を、タイトルと重ねて許してほしいです。小1と高1くらいの差(暴論)があるのにも関わらず、その年月による劣化を一切感じさせない素晴らしい作品でした。手に持った筆が止まらない、もとい打ち始めたら止まらないほど良い点が湧き出てきて止まりません。

良かったら是非とも最後までご付き合いください。


まず始めに身の上話と言ったらちんけな響きになりますが、このブログを使い始めて1年の空白の間に失恋をして職も失いました。

絶望の無気力状態のオレに響く作品はないかと小説漫画哲学書から映画や音楽やゲーム沢山と漁っている頃にこの作品にたどり着きました。

Angel Beats!はアニメ好きには名高い名作中の名作。こんな私が記事にするのもおこがましいほど人気のある作品です。

中には「絵が無理」「萌え系は見ない」「オタクっぽい(笑)」みたいな声も聞いてきましたし、「死んだ人間が殺しあう」っていう話だけは人を介して予備知識はありました。

ぶっちゃけると名前は知っているもののあまり面白そうでもないし、良い印象は持っていませんでした。

 


・概要

主人公の音無 結弦(おとなし ゆづる)が突然目を覚ますところから物語は始まります。どうやら記憶を失っている事に気付きながらも、目の前にいたスナイパーライフルを構える少女に声をかけられ、ここは"死者の世界"で"死ねない"ことなどの情報と仲間になってほしいと告げられます。

主人公はこんな異常な人物とまともに話は出来ないと踏み、少女にスナイパーで狙われていた"天使"との接触を試みますが、天使に2度目の死へと誘われます。

果たして天使や少女、この世界の目的とは──。

 


結論から言えばこの作品は人類に希望を与えてくれる素晴らしい作品だと思います。

正直にお話しすれば私は大層な人間でもなければ、そこらで野垂れ死ぬであろう、世界の一部ですらありません。そんな風に考えてしまっていた自分を救ってくれたような気がしてます。

何者でも無い個人は、何者かに成れるんだと

教えてくれる作品でした。


未鑑賞の方、私のように偏見を持ってしまっていた方にこそ是非みて頂きたいです。

満たされる気持ちを味わいたい方へ、届け。

 


⬇︎※ネタバレ※⬇︎

 


まずは細かな点、タイトルにもあるAngel Beats! そうか、ビートとは音楽のことか。バンド出てくるし、OPは立花 奏がピアノ演奏してるしなあ、と思いながらこの作品を13話(最終話)まで鑑賞しました。

ここまででこの作品の面白いところは起承転結で区切ることが難しいことだと個人的には思いました。

序盤から謎だらけで、その謎は終盤(9話)でようやっと明らかにされます。ここで最高潮にテンションが上がりこの記事を書こうと心に誓いました。


奏「あの人達とずっと一緒にいたい?」

結弦「それは……仲間だからな一緒にいたいさ。でも今は違う気持ちもある。アイツらもオレみたいに報われた気持ちになってさ、みんなでこの世界から去れればいいなって、また新しい人生も悪くないってさ」


そりゃ1話から主題をもってこれないわけだ。と妙に納得して、その意見大賛成!!!!ってな具合にテンションぶち上がりました(笑)

神に抗って世の中の不条理を憎んで自分の不運に呪って、そんながんじがらめの世界だったんだと薄々気づいていたけど、果たしてそれが正しいかどうかは分からずにいたところに天命が下されたような気分でした。


初めは両者を見定めようとしていた主人公はどちらのサイドとも仲良くなっていきます。

そしてたどり着く答えがこの世界からみんなを卒業させてあげたい。

なんて胸熱な展開なんだろう。目的の見えなかった本題に追加されるこの上ないミッション。今後の展開がワクワクに一変。

ナ◯トなら火影になる、ドラゴン◯ールならそれを集める、と

物語の本題は初めにありきと考えていた自分が愚かだった(笑)


この作品はサスペンス調な為、ネタバレ要素1つ1つが楽しめる要素になるのが良かったですね。

そして良い所はとにかく「明るいこと」

テーマや設定に重たいものを持ってきている分この明るさが作品にメリハリをつけて絶妙なスパイスになっていました。


序盤を鑑賞しての感想は「はい、はい、不幸話には耐性があるし、こっから幸せな展開が待っているんでしょ」という我ながら性根の腐った捉え方で数話を見ているのにも関わらず、最後まで見た結果この記事を書いています(笑)


そして注目すべきは最終話。アニメの歴史に残るであろう(残ってるであろう)最高の終わり方でした。

最後の最後まで謎だった奏の境遇がついに明かされる。

結弦の心臓は奏の中で生きているという事実。奏の本当の目的はドナー提供者へお礼を言う為に世界にとどまっていてた。


このことによって受ける衝撃がいくつかあります。

まずは結弦の視点から言えば「ドナーに登録したことできっと誰かの命が救われた、満足だ」と思っていたが、いま目の前にいる少女は救ってくれて「ありがとう」と言っている。

つまり結弦を、人生を全肯定してくれる存在になったという感動。

「ずっと一緒にいよう」という結弦のセリフが本人と心臓の二重の意味に聞こえて、そのセリフを受けて「ありがとう」で終える。


2つ目はタイトルの由来、上記では音楽の意味かと勘違いしていたがここに来て本当の意味が……! Angel Beats!は直訳すれば天使のビート、鼓動となりますが、奏の話を聞けばタイトルさえも最終話への伏線だったと考えるようになりました。

天使の鼓動

心臓を無くす(音無)心臓を譲る(結弦)という具合につながりますね

こういった遊び心は作品に箔が付いて個人的な評価は増し増し!


伏線繋がりでもう一度話をほじくり返しますが、9話で明かされる結弦の列車事故の続き。見ていた時は「なにごと?」「今になって生前の続き?」「列車事故で死んだのかと」とも思ったけど、この時のドナー登録に丸をつけて満足して消沈。という流れが人生肯定、みんな卒業までの架け橋なだけかと思っていたが、最終話ではあのドナー登録は最終話へ布石、2段構えだったのかああああ!!!!!


という何重にも張り巡らされた伏線をたった一言添えるだけで回収してしまうセンスと設定に脱帽しました。


「命をくれて、ありがとう」

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どうでもいいですが人が涙を流す時は感情のキャパシティを超えた時と言われています。もう正にキャパダム決壊してましたね、はい。

 


これはあまり関係ありませんが、最後の最後に輪廻転生で再び出会うところ「君の名は」はこの作品に似せてきたんじゃないか?という既視感がありました。

(私は「君の名は」も大好きです)

 


あの2人の未来が暗いわけがない。

 


⬆︎※ここまで※⬆︎

 


ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございます。

ぜひ身近に観たいアニメで困ってる人が居たらAngel Beats!を勧めてみてください。あくまでも捉え方次第で作品は顔を変えますが……私にとってはこの上ない作品でした。

間違いなくこの作品は人の心を豊かにする、最高傑作です。


検索タグ Angel Beats! 二期 映画化 実写化